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異色のオーナーが放つ予約必至の人気焼き鳥店

Client interview
元公務員という異色の経歴を持つ代表の佐古さん。料理経験なしからのスタートから「自分が行きたくなるお店」をお店のコンセプトに今年で10周年を迎えた。堺では知らない人はいない予約必至の人気店。

株式会社TORIKO  代表取締役 佐古誠治(さこ せいじ)さん

堺市北区中百舌鳥町2-299-9  072-250-8988
http://www.torikoya.com

公務員の仕事は自分じゃなくてもできる仕事ばかりだった…

私の場合はスタートが人と違うので参考になるか分かりませんが、もともと大学を卒業して市役所に勤めていたんですね。要は公務員です。ある時、ふと気付いたんですよ。自分じゃなくてもできる仕事ばかりだと。
自分じゃなくても仕事は回るんだと思うとだんだん面白く無くなっていきました。
「自分しかできない仕事」って何かなと真剣に考え始めたのが役所勤めも10年を過ぎた35歳くらいの時でした。そんな漠然とした中で、一冊の本と出会いました。たしか「小さなお店のはじめ方」というタイトルだったかな。とにかく感動したんです。もう料理しかないなと思いました。みなさんに怒られるかもしれないですが、「料理」といっても飲食経験はほぼなしの家庭料理ができるくらいだったんです(笑)業態は「とり」がとにかく好きで「とり」やったら味が分かる。だから焼き鳥屋にしようと。「自分が行きたくなるお店」これをお店のコンセプトにしました。あとは裏付けのない自信だけで突き進んでいきましたね。
決めてからは早かったですよ。飲食店をやると決めてから半年後にはお店を始めていました。

飲食経験なしの文字通りゼロからのスタート

何が大変だったかって全部ですね(汗)なにせ、公務員だったので辞めることへの反対がすごかったんですよ。小耳に入ってくるんですよ。「佐古、終わったな」と。当時、誰一人として賛成してくれる人はいませんでした。今思えば、当然ですよね(笑)でも当時の僕は、失敗するなんて微塵も思ってなかったので何でだろう??と思ってました。
もちろん、家族も大反対でした。当時、子供がまだ1歳でしたし、将来のことを考えると当然だったと思います。「飲食する家に嫁がせたんじゃない」と妻のご両親にも散々言われました。でも、もうやらないという選択肢はあの時なかったんですよ。何より絶対に成功すると思っていたので。妻にも迷惑かけましたがどうにか今日までやってこれています。
あとは飲食の「ど素人」でしたから勝手が全く分からない。。例えば、グリーストラップってありますよね?晃洋厨機さんから「グリーストラップつけますか?」って言われて「何やそれ??」ってな感じですよ!想像できますよね。そんなレベルでしたからね。でも舐められたくないから「いるんやったらつけてください」みたいな感じですよ。そんなことがいっぱいありましたね。今思い出すと笑い話ですが、当時はほんまに大変でした。でもこんな私にも晃洋厨機さんは丁寧に対応してくれたんですよ。本当にありがたかったです。
後々、隣に2軒目を出すんですけど厨房は晃洋厨機さんに全てお願いしました。

最初の1年くらいは怒られない日はなかった

とにかく最初の1年くらいは怒られない日はなかったですね。勘定間違えるし、料理出てくるのは遅いし、そのくせ冷凍食材は使いませんとか言ってましたからね。明日は怒られないように頑張ろうの連続でした。
そうやって怒られないように試行錯誤しているうちに徐々にコツがつかめてきたんですよ。例えば、仕込みの段取りを良くしたり。最初はサラダの注文入ってからキャベツ切ってましたからね(笑)皆さんにとっては当たり前でしょうけど(笑)教えてくれる人はいませんでしたからとにかく最初の1、2年はこの繰り返しでした。

そうそう。最初の確定申告で税理士の先生が「佐古さん、すごいですね。利益出てますよ」と。でも個人的には屈辱だったんですよ。非課税の範囲でのプラスだったんです。これだけやって納税もさせてもらえないんやと。。改めてシビアな世界やなと感じましたね。

どうして1年目から利益が出たかというと市役所の皆さんの力が大きかったですね。結局、「佐古終わったな」と言ってた人も食べに来て頂いていました。心配してくれてたんでしょうね。辛うじて坊主の日がなかったのも役所の方たちのお陰です。本当に皆さんには助けてもらいました。

この10年間で後悔は1秒たりともなかった

今は充実しかないですよ。「自分しかできない仕事」を見つけることができましたからね。
お客さんにも喜んでもらえてるし、ちゃんと利益も出てるし、従業員もしっかり定着してくれてますし。
ありがたいことにオープンしてから今まで10年間でこの仕事をやめておけばよかったという後悔は1秒たりともないですね。やってよかったという感情しかないですね。しんどい時でさえそう思ってましたよ。天職なんでしょうね。

◯これから飲食を始めたいとお考えの方にアドバイスをお願いします。

「金儲けしようと思ってやったらあかん。」これだけですね。
ちゃんと志を持っているのかを確認してからスタートを切ればだいたい上手くいくと思いますよ。
あと具体的なアドバイスとしては本人ともう一人のふたりくらいで回せるお店がいいと思いますね。
全部が予定通りにはいかないので。最初はこれくらいの箱がいいと思います。

◯これからの目標はありますか?

6次産業に興味がありますね。
健康で安心な料理を提供しようと思うとやはり生産まで行き着くんですよ。
特に5年で30店舗出すというような目標はないんですが、自分が納得出来るお店を
少しずつ出していければいいかなと思います。
あとは飲食業界自体のレベルを上げていきたいですね。
うちの店長は完全週休2日、残業なしでやっています。役所出身ということもあると思うのですが
慢性化した飲食業界の体質もまだまだ変えていきたいと思っています。

とにかく、志を強く感じる方でした。シンプルに「とり」が大好きで「とり」を通じて「自分しかできない仕事」を追求している。まさしく天職に出会った方だと感じました。今後の目標は6次産業化だそうです。佐古さんのお話を聞いていると当然だと感じました。そして是非、佐古さんが生産から販売まで手がけた「とり」を食してみたいと心の底から思いました。
ホームページでも書かれている通りコンセプトは「自分が行きたくなるお店」インタビュー後にお店で食事をしてしっかりとその想いが伝わってきました。真摯でポジティブ、そしてお客さんと「とり」のために一生懸命な佐古さんのファンになりました。

編集インタビュー:プレイアンドワーク 渡辺潤
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